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論文1 「Allgemeine Psychopathologie」(Jaspers,K)について
<Subtitle>分裂病の治癒可能性に焦点をおいて

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論文1 Top Page (序文)
1、分裂病の治癒可能性に対するヤスパースの見解
2、分裂病は脳病か
 イ、ヤスパースの見解の概要
 ロ、疾患単位を理念とする研究の概要
 ハ、疾病学に限局した場合の科学的背景
3、分裂病の症状の心理学的理解の可能性について
 イ、ヤスパースの見解の概要
 ロ、分裂病に於ける精神療法の可能性
4、精神病理学と脳病理学の共働の道
 イ、ヤスパースの現象学の特徴
 ロ、真の理論と精神病理学の理論
 ハ、両者の共働の今日的意義
 ニ、分裂病の脳所見解明後の問題
5、治癒過程考察の欠如について(ヤスパースの)

おわりに
参考文献
1、分裂病の治癒可能性に対するヤスパースの見解

 「神経病学的でない病は病的過程と躁鬱病の二大圏にわけられる。過程の方ではたとえ急性現象は非常に消褪するとしても、その本質により直らぬものであり、以前の状態に戻ることは決してない。持続的変化の名残りが必ず残る。躁鬱病は原則として直りうるものであり、以前の人格に戻れるのが常である。ただ、病的経過の方向をこう分けることは、個々の例では実際にはほとんど意味がないことがある。時には分裂病患者で至極重い急性精神病の後でさえ、実際上健康とみなされるほど快復することがある。これに反して___。従ってブロイラーが方向の予後と距離の予後を区別したのは適当である。」(下巻P.431)(他にP.28 P.79が参考になる)従って、分裂病は治癒の方向に傾かないが、仮りに快復の方向に傾いても、距離に限界がある、と云えよう。


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